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千葉大学 OBOG インタビュー

多くの人に支えられながら子どもたちと歩んだ64年間の音楽指導。
感動体験をもとに「良い音で良い演奏を」。

千葉県少年少女オーケストラ 音楽監督

佐治 薫子さん

※記事に記載された所属、職名、学年、企業情報などは取材時のものです

コンサートホールの客席にステージを背にして立つ佐治 薫子さん

佐治 薫子(さじ・しげこ)

千葉県少年少女オーケストラ 音楽監督

千葉大学教育学部音楽科卒業後、40年間で4つの小中学校の音楽教員を務め、合奏指導で数々の音楽コンクール優勝経験を持つ。定年退官後の1996年、千葉県少年少女オーケストラ音楽監督に就任。現在に至る。バッハ好きとして知られ、愛称は「バッハ先生」。

40年間の教員生活で40回以上の全国優勝を遂げ現在は千葉県少年少女オーケストラの音楽監督として県内の子どもたちを導く佐治薫子さん。
音楽指導のモットーや千葉大学時代の思い出などを語っていただきました。

40年間の音楽教員生活を経てジュニア楽団の音楽監督に

楽監督を務める千葉県少年少女オーケストラについて教えてください。

佐治

私は結成当初の1996年から24年間、音楽監督を務めています。メンバーは千葉県内の10歳から20歳までの少年少女160名で、週に一度千葉県文化会館で練習をしています。毎年春ごろには定期演奏会を開催しており、千葉県内各地域の行事への参加や、海外公演なども行っています。

音楽監督に就任された経緯や設立当初のエピソードをお話しください。

佐治

きっかけは、当時の千葉県知事、沼田武さんからお誘いがあったことです。千葉県はもともと音楽が盛んで、私が教員時代に子どもたちと参加したコンクールなどの場で、沼田さんとも度々お会いしていました。そんなご縁もあって、私が定年で教員を退官すると知り、声を掛けていただいたんです。当初、苦労したのは体制づくりでした。せっかく音楽監督を引き受けるのなら、やはり自分の考える方法で指導したいという思いがありましたので、オーケストラを維持するために必要な人数、用意する楽器、一流の指揮者による指導体制など、ずいぶんわがままも言わせてもらいました。納得のいくオーケストラを編成することができたのも、沼田さんの理解あるサポートのおかげだと感謝しています。

教員として初めての赴任先である君津市立松丘中学校での写真。赴任当初、楽器すらないところから音楽指導を始め、その翌年には子ども音楽コンクールで優秀賞を受賞
音楽教育の道を歩み始めて65年目を迎えたが、当時と比べて子どもたちの本質に変化はないと感じているそう。「ゼロからきちんと教えれば子どもは必ず応えてくれる」と佐治さん

「良い音で良い演奏を」人間力も重視した音楽指導

オーケストラの指導で心掛けていることはありますか?

佐治

なにかを教えるときに一番大切なことは、子どもたちにその素晴らしさを伝えて、好きになってもらうことです。質の高い音楽を聴かせることもそうですし、実際にうまく演奏できるようになればもっと音楽を好きになってくれます。きれいな音を出せるように基礎をしっかり教えることで、子どもたちはどんどん伸びていくんです。千葉県少年少女オーケストラでは、「良い音で良い演奏を」というモットーを掲げていますが、これには、メンバー各自が努力して「良い音」を出し、みんなが協力して「良い演奏」をつくり上げるという意味が込められています。また、教員生活を通じて、人間性も音に表れることを実感しているので、楽器を丁寧に扱うとか、挨拶や身だしなみをきちんとするといった人間力の向上も心掛けています。

教え子には音楽の道に進まれた方も多いそうですね?

佐治

ええ。1974年には教え子たちがウインドミルオーケストラという市民楽団を立ち上げ、現在に至るまで活動を続けています。また、プロの音楽家になって、千葉県少年少女オーケストラで指導をサポートしてくれている人もいます。基礎をしっかりやることやこのオーケストラのモットーなど、私の基本的な考え方を受け継いでいるので、安心して子どもたちを任せられます。私が24年もの間、楽しくオーケストラを続けていられるのも、そうした多くの人に支えられているからだと実感します。

やり遂げた感動を味わうために常により高きものを目指してほしい

千葉大学時代の思い出について教えてください。

佐治

私が進学した当時の教育学部音楽科は学生が8名しかいませんでした。人数が少ないぶん全員と仲が良く、お揃いでつくったブラウスを着て通学したこともあります。先生方にも良くしていただきました。授業時間外にも希望者にピアノを教えてくれたある先生は、基礎をしっかりやっておかないと後から伸びないという信念をお持ちで、同じフレーズを何度も繰り返し弾いた思い出があります。基礎を重視する私の音楽教育は、その当時の経験が原点になっていると思います。

学生に向けてメッセージをお願いします。

佐治


千葉大学には、「つねに、より高きものをめざして」という理念があります。私もこの言葉を皆さんに贈りたいと思います。どの学部、どの学科でも、早いうちに自分がやりたいことを決め、信念を持って挑戦することが重要だと私は思います。人と比べる必要はありません。自分はこうするんだという信念があれば迷いもなくなりますし、やり遂げたときの喜びや感動は、また次のステップの糧になります。「より高きもの」に向かって、充実した大学生活を送り、未来に羽ばたいてくれることを期待しています。

※記事に記載された所属、職名、学年、企業情報などは取材時のものです

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