CHIBA UNIVERSITY

千葉大学 OBOG インタビュー

母の働く姿が私の仕事の原風景。社会とつながる、役に立つことを、これからも志していきたい

千葉県副知事

高梨 みちえさん

※記事に記載された所属、職名、学年、企業情報などは取材時のものです

高梨 みちえ(たかなし・みちえ)

千葉県副知事。千葉大学法経学部法学科卒業。1987年に千葉県庁へ入庁。以来、数多くの部署でキャリアを重ね、2021年には特命の政策調整担当部長に任命され、ワクチン接種の態勢整備など新型コロナ対策に尽力。その後、2022年に健康福祉部長、2024年に総務部長を歴任し、2025年3月に退職。同年4月から、千葉県副知事となる。

千葉県初の女性副知事に就任した高梨みちえさん。県庁職員時代の様々な経験、副知事就任への想い、千葉大学での学びやつながり、千葉大生に向けたメッセージなどを語っていただきました。

「男女雇用機会均等法」施行2年目女性でも活躍できる千葉県庁へ

─就職先として千葉県庁を志望した理由を教えてください。

「仕事を通して、社会とつながっている気がする」。私が小学生のときの母の言葉で、社会の役に立つ仕事をしたいと考えるようになったきっかけです。母は芯の強い女性ではありましたが、元々はどちらかといえば内向的な性格でした。洋裁の内職をしていましたが、近隣の洋品店に依頼されて仕入れや販売を担当するようになったことをきっかけに、口下手だった母がお客様に「こちらの洋服がお似合いですよ」と提案するようになり、流行を意識した仕入れを行うなど積極的な性格に。そんなときに発した言葉だったので子ども心にとても印象に残りました。そして、大学で就職活動を始めた頃、1985年に男女雇用機会均等法が成立したものの、施行1年目の1986年に就職した一つ上の先輩たちが就職説明会で女子社員が活躍できる企業風土はまだまだ醸成されていないと話していたことから、公務員なら男女関係なく働くことができ、社会の役に立てるのではないかと考え千葉県庁を選びました。

─県庁職員時代のエピソードを教えてください。

最初は、税金の滞納整理を行う部署に配属されました。上司がすごく尊敬できる方で「わからないことがあったら、立ち上がって大声で聞きなさい。県庁は組織で仕事をしているのだから、どこかから必ず答えが返ってくる」と言われ、仕事はチームで行うことを学びました。その後、選挙管理委員会をはじめ様々な部署を経験し、異動のたびに転職したかのように仕事内容が変わり大変でしたが、それ以上に新しいことに挑戦できることに面白みを感じていました。

千葉大学での学びとつながりが様々なシーンで活かされる

─千葉大学時代での学びや経験が仕事に役立ったことはありますか。

入庁20年目に法務担当に異動となり、弁護士と連携して書面を作成することになりました。このとき、法経学部(現・法政経学部)法学科で憲法、行政法、民法を一通り学んでいたことが役立ちました。ほかにも東京大学を退官されて千葉大学に来られた刑法の内藤謙先生のゼミも参考になり、学生時代にとにかく勉強を頑張っていたことを思い出しました。また、卒業後も行政法の先生に相談に伺ったこともありますし、依頼されて法科大学院生に対して地方における訴訟について講義を行ったこともあります。

─コロナ禍では特命の担当部長として対応されたそうですね。

日本国内で新型コロナ感染症の感染者が初めて確認されたのは2020年1月でした。感染拡大とともに行政需要が大幅に高まり、いつ終わるかわからない対応に追われる中、2021年度に新型コロナ対策を行う政策調整担当部長という職が健康福祉部内に設けられ、私が任命されました。ワクチン接種の態勢整備に取り組み、千葉大学病院の当時病院長だった横手学長を訪ね、医師や看護師の協力をお願いしました。横手学長とは初対面でしたが、穏やかな口調で真摯に対応していただいたことを覚えています。その後もオンラインで行われた対策会議に参加していただき県内の病床確保などにもご協力いただきました。新型コロナ対策に取り組んだ日々を振り返ってみると、誰も経験したことのない状況で思いつくこと全てを職員が一丸となって対応していく、まさに県庁の組織力の凄さを感じました。また、多くの民間企業の方に協力を仰ぐ中で、直接お目にかかって説明を尽くすことの大切さを知りました。

経済活性化や、少子化対策など次世代を大切にする社会を目指したい

─2025年4月に千葉県副知事に就任されましたが、どのような想いでしょうか。

副知事のお話をいただいたとき、果たして自分にできるかということを考えました。次に、これまで私が管理職として部下に内示を出す際、神戸女学院大学名誉教授の内田樹先生の「キャリアのドアにはドアノブがついていない」という言葉とともに「ドアが開いたのなら飛び込むしかない」と伝えていたこともあり、今度は私の番だと心を決め、さらに千葉県初の女性副知事に自分が就任することで後進の道を開くことにつながると考えお受けしました。副知事になり、仕事自体は総務部長時代と大きく変わってはいませんが、所掌範囲が広がった分、いろいろなことを意識するようになりました。今後は、経済を安定させ少子化対策に取り組み、次世代を大切にする社会を目指し、それに取り組む県職員が働きやすい環境づくりを行っていきたいと考えています。

─最後に、学生へのメッセージをお願いします。

実は私の娘も千葉大学法政経学部で、卒業するとき「一生、学生でいたい」というくらい学生生活を謳歌していました。そんな姿を見ていて、大学時代は自分がしたいことに時間を自由に使える期間だなとあらためて感じました。ですので、学生の皆さんには、すぐに役立たないことでも自分がやりたいことに挑戦してほしい。「やりたがりで、知りたがりで、言いたがりで、心も体もアグレッシブ」でいてほしいと思います。そしてもう一つ。できれば紙の新聞を読んでください。自分とは異なる視点や関心を持った編集者がフィルターをかけて限られた紙面の中に落とし込んだ内容から情報収集する。特に論説委員がまとめたコラムは筆者の生の声が伝わってきます。そこに共感するもよし、違和感を感じるもよし、多様な考え方があることを知ることが大切だと考えています。

千葉県副知事 高梨 みちえさん

※記事に記載された所属、職名、学年、企業情報などは取材時のものです

この記事をシェアする

千葉大学 OBOG インタビュー

OGOB MESSAGE

HOMEに戻る