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社会イノベーション創出に向けた千葉大学の挑戦  IMO(学術研究・イノベーション推進機構)

※記事に記載された所属、職名、学年、企業情報などは取材時のものです

学術研究・イノベーション推進機構
藤江 幸一 機構長
(研究担当理事)

千葉大学は、内閣府の「イノベーション創出環境強化事業」に採択され、2020年4月に「学術研究・イノベーション推進機構(IMO)」を設置しました。産学官に公(自治体)と金(金融機関)も巻き込んだ共同研究、研究成果を社会実装するベンチャー支援体制の強化など、千葉大学発のイノベーション創出を推進します。

総合大学の強みを活かしてイノベーション創出を支援

大学の研究は論文発表だけでなく、研究成果を社会の課題解決に活かすことが求められています。こうした期待に応えるためには、優れた研究シーズを持続的に生み出し、産業界や地域と協力しながら社会実装し、また、広く発信していく必要があります。千葉大学でも、これまで数々の事業化やベンチャーが実現していますが、研究成果が社会価値となれば大学への期待が高まり、さらに新たな取り組みにつながるため、社会実装をもっと推進しようという目的のもとでIMOは誕生しました。

IMOでは、別組織だった基礎研究支援と産学連携支援を統合し、機動的に活動できるオープンイノベーションプラットフォームを構築しています。重要な役割を担うのは「URA(University Research Administrator)」という役職の職員。研究と社会ニーズを正しく評価したうえで教員と事務職員を橋渡しし、社会実装の実現への道筋をつけるのがURAです。千葉大学では、民間企業のプロジェクトマネージャー経験者など13名を雇用・配置していますが、今後も拡充するとともに、URAとして活躍できる人材を育成することも視野に入れています。

千葉大学は、10学部からなる総合大学なので、多様な分野の人材や研究があり、ENGINEをはじめとするグローバル人材育成プログラムも整っています。こうした異分野研究の融合やグローバルな視点での学びを、イノベーションやベンチャー創出に活用しない手はありません。今後も全学的な切磋琢磨ができる環境を提供していきます。

IMO活動レポート

「なのはなコンペ」を実施

ベンチャー創出につながるようなビジネスアイデアを学生から募集し、多くの企業の協力のもと優れたアイデアを決める「なのはなコンペ」。19回目を迎えた今回は書類審査を通過した14チームが、ワークショップと最終審査ピッチイベントで競い合いました。学生が自身の研究の事業化を意識するのはもちろん、教員も含めた全学的なアントレプレナーシップの波及効果にも期待しています。

第19回 なのはなコンペ 2021受賞者の皆さん

企業との連携を推進

2021年5月にJETRO(独立行政法人日本貿易振興機構)と包括的連携協定を締結。学生や教員の海外でのスタートアップに対して活動協力や情報提供などの支援を行うため、IMO内にジェトロデスクを設置しました。

さらに同年6月には、主にURA人材の育成支援を目的として、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)と相互協力の覚書を締結しました。

定期的にJETRO職員が在席し、国際産学連携や大学発スタートアップ企業の海外展開を支援する「産学連携ジェトロデスク」を設置
NEDOとの覚書調印式。
左から、久木田NEDO理事、藤江IMO機構長

社会イノベーションへ、注目の研究プロジェクト

青色コチョウラン

化学メーカーの石原産業株式会社と千葉大学大学院園芸学研究科植物細胞工学研究室との共同研究で生まれた青色のコチョウラン。石原産業が単離に成功した青色の遺伝子を使い、4年かけて研究室が開花を実現しました。

スチームクッカー UNIFLAME KOLME

株式会社新越ワークスが展開するアウトドアブランド「UNIFLAME」と千葉大学工学部デザイン学科が共同開発したキャンプ用クッカー。「蒸す」「湯煎」「沸かす」の3作業が同時に行える省エネ調理器です。


千葉大学の産学官連携の新拠点・IMO棟

2021年4月に、産学官連携・研究推進・ベンチャー支援の新拠点として「IMO棟」が西千葉キャンパスにOPENしました。

中小・ベンチャー企業、起業家、学生などの交流を目的に、一般の人々も利用できるオープン・イノベーション・スペース(1F)
中小・ベンチャー企業、起業家、学生などの交流を目的に、一般の人々も利用できるオープン・イノベーション・スペース(1F)
会員制のコワーキングスペースも備えたIMOオフィス(2F)

※記事に記載された所属、職名、学年、企業情報などは取材時のものです

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