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CAMPUS LIFE

未来の風景を描くー松戸キャンパスで卒業制作/修士制作展が開催されました!

※記事に記載された所属、職名、学年、企業情報などは取材時のものです

門出の春も近くなり、千葉大学では学部生と修士学生が学位取得の最終関門として取り組む「卒業制作」と「修士制作」の展示が学内外で開催されています。
その中の1つ、ランドスケープアーキテクチュアの分野を学ぶ園芸学部 緑地環境学科 環境造園学プログラム・大学院園芸学研究科ランドスケープ学コースでも、学生たちによる卒業制作/修士制作展が松戸キャンパスにて2月3日(月)~10日(月)に開催され、学生たちの熱意あふれる作品が並びました!
この分野では、自然と共生する都市・地域の再生、持続可能な循環型社会の構築に向け、美しい風景の創造をめざすデザインについて、緑地生態を研究するサイエンスが融合して学びます。このたび展示が行われた卒業制作/修士制作は、その成果を具体的な計画やデザインの提案として、図面や模型などを用いて各学生がまとめ上げるものです。

プロからの講評も!「オープンジュリー」

2月1日(土)には、オープンジュリー(公開審査会)が行われ、本学で非常勤講師を務めるランドスケープアーキテクトの関係者の方々と専任の指導教員が参加しました。学生たちは自分の制作について発表し、プロの目線から見た貴重な講評・審査を受け、参加した非常勤講師全員による審査会で受賞作品の選定を行いました。

※ランドスケープアーキテクト:都市や地域における空間のデザインに関する専門家

また、2月7日(金)には緑地環境学科の全プログラム合同の卒業論文発表会も開催され、学生63名が自らの論文(46名)と制作(15名)と実践(2名)について発表し、そのコンセプトや工夫について他の研究室の教員や学生の前でプレゼンを行いました。

オープンジュリーの様子(学部生)
オープンジュリーの様子(大学院生)
2月7日(金)に行われた卒業論文発表会の様子

3人の学生にこだわりの制作テーマをインタビュー!

今年の展示では、どの作品も個性豊かで、都市や緑地の新たなあり方を模索する作品が印象的でした。その中で、今回は緑地環境学科 環境造園デザイン学領域の4年生3名にお話を伺いました!


戸梶 工(とかじ たくみ)さん
制作テーマ:「風景蘇生術~戸山公園および戸山ハイツの教育コモンズとしての再編~」

東京都新宿区にある戸山公園とその周辺の住宅団地を対象に、人が暮らし、学び、自然とつながるランドスケーププランを提案。
「新しい都市軸をつくり、そこに人々が日常的に緑や水に触れ合える空間」
というコンセプトは、3年生の終わりごろからイメージし始めたそうです。
展示作品には、マスタープランとして設計区画全体模型とともに、団地の中になじむ教育施設が部分的に切り出された緻密な模型が並び、見る人にその空間の魅力を直感的に伝える工夫が凝らされていました。
 また、説明する展示パネルも、イメージ図やコンセプトが視覚的に整理された分かりやすいデザインとなっており、戸梶さんのランドスケープデザインへのこだわりが感じられました!
「ランドスケープの魅力は、考えたイメージが形になること」
と語る戸梶さんの作品は、園芸学部での奨励賞を受賞しました!

戸梶さんの作品

佐々木 達有(ささき たう)さん
制作テーマ:「流転の結い目~武蔵野の雑木林が織りなす多磨の循環と弔いの風景~」

東京都府中市の都市霊園に隣接する公園を舞台に、樹木葬を取り入れた新しい公園墓地のあり方を考案。
制作テーマは4年生の10月頃に決まり、それまでに3~4回もテーマを変更したという佐々木さん。「社会問題を解決するランドスケープ設計がしたかった」と悩みながらも、指導教員のアドバイスを受け、たどり着いた作品です。
雑木林の皆伐スパンと樹木葬墓地での弔い上げの期間をリンクさせ、故人の存在を雑木林景観として地域に残す。その結果、訪れる人々が故人を偲ぶだけでなく、自然の循環を体感できるような空間を設計しました。
お話を伺う中で、佐々木さんは「1つのランドスケープのゴールに対して、多彩な設計の可能性があることが面白い」と語ってくれました。
こちらの作品も園芸学部奨励賞を受賞!

佐々木さんの作品

柳澤 佳歩(やなぎさわ かほ)さん
制作テーマ:「翔き(はばたき) ―モノレール車窓からの視覚的体験を考える羽田空港周辺緑地の再設計―」

羽田空港モノレールの車窓から見える20秒間の風景に着目し、季節や時間帯ごとに変化する周辺緑地のデザインを提案。
「創りたかったのは、一瞬の風景」という言葉の通り、空港周辺の緑地を美しく、そしてSDGsの要素も取り入れた持続可能な空間に仕上げました。柳澤さんの作品では、四季と時間によって変遷する車窓風景や、乗客が移動中に体験する視覚的リズムに配慮したデザインが特徴的でした。また、「立体的」に「変化する」車窓景観をつくるため、浮世絵の構図分析を参考にし、空間の連続性を持たせる工夫が施されています。 実際に何度も現地へ足を運び、モノレールの車窓からどのように風景が流れるのか、動的な視点を考慮しながら設計を進めたそうです。結果として、空間の広がりや時間の経過を計算に入れた独創的なデザインが完成。
その独創性が評価され、戸定ヶ丘賞(学部生の一等賞)を受賞!

柳澤さんの作品

未来のまちや風景を創り出し、ランドスケープの可能性を広げる学生たちを、これからも応援よろしくお願いします!

過去の展示の様子や作品については、こちらのサイトもご覧ください!
 過去の展示情報はこちら


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Instagramアカウント:@Matsudo_Campus_Chiba
URL:https://www.instagram.com/matsudo_campus_chiba/

※記事に記載された所属、職名、学年、企業情報などは取材時のものです

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