CHIBA UNIVERSITY

CAMPUS LIFE

留学と就職活動の両立って大丈夫なの?〜先輩の交換留学(長期留学)体験談(後編)

※記事に記載された所属、職名、学年、企業情報などは取材時のものです

千葉大学では「千葉大学グローバル人材育成プラン・ENGINE」を掲げ、学部・大学院生全員が海外への留学できるためのプログラムや支援体制を強化しています。とはいえ特に交換留学(長期留学)となると「どうやって留学先を決めるの?」「事前の準備はどうするの?」「就職活動はどうなるの?」など、決める前、行く前の不安はつきもの。そこで今回は、学内で行われた「秋の交換留学フェア」の内容を前編・後編に分けてご紹介します。

前編では長期留学中の体験を中心にお話ししていただきました。後編となる今回は、キャリアアドバイザーによる「就職活動の進め方」「留学中でも取り組めること」などの就職活動についての解説と、2人の先輩による「留学と就職活動の両立」に関する体験談を聞くことができました。本記事では前編に続き、先輩の留学体験談に焦点を当てて紹介します。


ラップランド大学(フィンランド)
西海 愛結さん(国際教養学部)

<留学を決めたきっかけ>

就職活動の中で、「海外で活躍できること」を軸に置いていたのですが、実際の海外の経験が1カ月の短期留学しかなくて、本当に自分は海外で働く適性があるのかという不安があったんです。就職活動の中で休学や浪人をしている人と会う機会があり、その人たちの話を聞いていく中で、自分の「留学に行きたい」という思いをもっと大切にするべきだと考えて、1年間の留年をして長期留学をすることに決めました。

留学先については治安がよく、自然が豊かな国に行きたいという思いがある中、福祉や教育の質の高さにも評価が高いフィンランドに興味を持ちました。そして地方創生やサステナビリティツーリズムなど、私が学んでいたテーマの授業が受けられることを知り、最終的にラップランド大学への留学を決めました。

<留学生活>
フィンランドは、豊かな自然とスローライフを体験できる国だと感じました。ラップランド大学はフィンランドの中でも北の方に位置している大学で、5月でも雪が残っている状態です。そのような環境の中、フィンランドが発祥であるサウナの後に湖に飛び込んだり、森の中でブルーベリーを拾ったり、とても自然と近い生活を送ることができました。

大学は自分の周りの学生が18歳から子どもがいるお母さんまで、年齢も文化や言語もバラバラな人がいる環境で、日本にいたらあまり出会えないような人と時間を過ごすことができました。その経験が「自分の人生の選択は自分でしていいんだな」という、自分の価値観が大きく変わるきっかけになりました。

<就職活動について>
インターンも選考も全てオンラインで実施することができました。まず大学4年生の時に渡航準備を進める中で、夏のインターンも同時に応募を始めて、8月にフィンランドに渡航しました。

渡航した後、現地から夏のインターンに5社ほど参加しました。その中である程度行きたい業界を絞れたので、早期選考をいただいた企業だけを受けました。そして12月に最初の内々定を、翌年2月に第1志望の企業から内々定をいただくことができました。

<留学と就職活動を両立するメリット・デメリット>
メリットは、留学を通して自己理解、自己成長に繋げられたことです。留学中辛いことや苦しいこともありましたが、その体験を通じて自分が何に対して楽しいと思うか、何を苦しいと思うかがとてもよくわかったんです。自分がどう乗り越えたかという話は、面接を受ける際にエピソードとして話すこともできました。また、私は面接の中で「今フィンランドにいるんです」という話をしたんですけど、それが人事の方に印象に残って、今でも「フィンランドの子だよね」って言われたりするので、印象づけの意味でも良かったなと感じました。

デメリットは、現地の大学で授業を受けているので、エントリーシートを書いたり、面接を受けたりすることがけっこう負担になったことです。また時差が大きかったので、夜中に対応しなければならないこともあり、大変でした。ただ、面接の時間などは企業によって配慮してくれることもあったので、密なコミュニケーションをとることの大切さを感じました。

<留学を目指す方へのメッセージ>
本当に自分が何をしたいのかということを真剣に考えながら、しっかり準備をしましょう。その上で、柔軟な考え方を持つことです。どれだけ準備しても、うまくいかないことがたくさんあります。そんな時は「自分はどうしたらいいんだろう」ということを常に考えて、行動してみてください。そして、「自分はこれだけ準備したから大丈夫」という自信を持つことが大切になると思います。


キール大学(英国)
髙橋 麻菜美さん(法政経学部)

<留学を決めたきっかけ>
まず、イギリス文化に対する興味・関心があったことです。紅茶やイギリス文学などに興味があったということと、私の専攻は政治学だったため、イギリスで起こっている政治的なムーブメント、王室の動向などに興味がありました。

調べていくうちに、特に政治学が盛んなのかなという印象を抱いたキール大学を第一候補にしました。また、キール大学はいろいろな留学生を受け入れている大学で、イギリスの多文化共生も学べるかなと思って選びました。

<留学生活>
留学の目的が「専門を深めたい」というところにあったので、政治学系を中心に履修しました。特におもしろかったのが人種に関する授業で、日本では学べないような理論や最新の動向を学ぶことができました。

生活面でいうと、キール大学はかなり田舎に位置していたので、交換留学生はほとんどキャンパス内の学生寮で生活することになっていました。キッチンやバスは共有でしたが、みんな生活リズムが違っていたので、不便に感じるようなことはありませんでした。また私は現地でダンスのソサイエティ(サークル)に所属していたのですが、その中でもたくさんの友達や思い出を作ることができました。

<就職活動>
就活を始めるとき、やっぱり留学に行きたいけどどうしよう・・ということを感じてOBOG訪問などで色々な意見を聞くうちに、「学生のうちにしかできないことはやり切っておいた方がよい」という思いになり、派遣留学に行くことを決意しました。

渡航後、3月ごろから徐々に自己分析などを始め、4月にロンドンでキャリアフォーラムに参加しました。キャリアフォーラムそのもので内定は取れなかったのですが、同時並行で数社選考が進んでいて、留学先で1社内々定を得ることができました。

*海外の大学・大学院で学ぶ留学生を対象とした就職イベント
https://careerforum.net/ja/

帰国後も就活は続けていたのですが、6月に東京サマーキャリアフォーラムに参加し、そこで内定をいただき、そちらに行くことを決めました。

<留学が就職活動で役に立ったこと>
留学中の経験により、自分に自信がついたので、自己PRの説得力はついたかなと思います。自分で納得感を持って語れる分、面接官に与える印象もよくなりました。また、留学中に触れた価値観や人々の背景の多様さから、将来に対しても柔軟に考えられるようになりました。視野が広がって、発想の自由度も上がったかなと思います。

あと留学中は英語のコミュニケーションをずっと取らなければならずけっこう大変だったので、日本語で会話ができる機会はちょっと楽しかったです(笑)。

<留学を目指す方へのメッセージ>
迷っている方は、ぜひ前向きに検討してほしいなと思います。もちろん時差を超えた説明会や面接の参加など、両立させるのは楽なことではありませんが、不可能なことではありません。

私は留学することで間違いなく今しかできない経験をしましたし、留学を通して就活のみならず、今後の人生においても学びになることをたくさん得ることができました。就活中も将来のビジョンをよく聞かれますが、自分にとって大切なことは何かということを見極めて、10年後、20年後に後悔をしない選択をしてほしいなと思います。

※記事に記載された所属、職名、学年、企業情報などは取材時のものです

この記事をシェアする

おすすめ記事

HOMEに戻る