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学生の力で地域に活力を。千葉市と千葉大生がコラボした社会実験イベント

※記事に記載された所属、職名、学年、企業情報などは取材時のものです

千葉大学では、教職員や学生がさまざまな形で地域の方とコミュニケーションを取りながら、地域貢献活動に取り組んでいます。また千葉市では「街の活性化」を目指し、通町公園利活用社会実験を行っています。今回はその一環として、本学の7サークルの学生と千葉市が協力して、千葉神社七夕祭に合わせて開催した「和風キッチンカーフェス+千葉大学出張文化祭」について、千葉市まちづくり課の石川浩久さん、松本奈波さん、キッチンカーフェスを主催した大川園の大川雅樹さん、そして千葉大学より参加した7つのサークルの中から、縫製技術研究会の武田歩珠さん(理学部3年)、シネマウント・フィルム・パーティの襲田(おそだ)裕史さん(文学部3年)、井上照悟さん(法政経学部2年)にお伺いしました。

左から、大川園の大川さん、千葉市の石川さん、松本さん、千葉大学縫製技術研究会の武田さん、シネマウント・フィルム・パーティの井上さん、襲田さん

学生のアイデアを活用し、街に交流を生み出したい

―千葉市が社会実験イベントを行うことになったきっかけについて教えてください。

松本さん(以下敬称略):千葉駅を中心とした周辺地域の活性化が目的です。市では駅と千葉中央公園を結ぶ大通りの整備などインフラの整備も行っていますが、その先には歴史のある千葉神社もありますので、神社に隣接する通町公園を活用して人を呼び、交流を生み出すための取り組みを社会実験として行っています。

社会実験イベントに至った経緯を話す千葉市松本さん(写真左奥)

――今回、千葉大学にお声がけをいただきました。その理由はどのようなものだったのでしょうか?

松本:これまで通町公園を活用した社会実験では、地元産品を販売するイベントやピアノフェスなどを行っていました。これらも一定の成果はあったのですが、さらに関わる人を増やし、新しいアイデアを生み出してもらいたい、という思いでお声がけしました。

今回千葉神社で行われる七夕祭に合わせて開催するにあたり、千葉大学の学生支援課さんを通じて、お祭りを盛り上げてくれそうな団体にお声がけしたところ、7つの団体が参加してくれることになりました。

地域の方々と触れ合うことで新たな発見も

――それでは参加してくれた学生さんにお話を伺います。皆さんはなぜ参加しようと思ったのですか?

武田さん(以下敬称略):縫製技術研究会は、服作りやファッションショーなどの活動をしているサークルです。普段は大学祭や服飾関連のイベントが中心で、今回のように地域の方や他のサークルが関わるイベントに参加するということがなかったので、チャレンジしてみたいと思いました。また通町公園はこれまでファッションショーの練習などでも使っていたので、なじみがあったのも理由の一つです。

襲田さん(以下敬称略):シネマウント・フィルム・パーティでは、普段は自主制作映画を作っているのですが、一般の方に見てもらうのは大学祭くらいだったので、すごくいい機会だなと感じたのがきっかけです。お話をいただいてメンバーに投げかけたところ、井上くんがぜひやりたいと手を挙げてくれたので、参加を決意しました。

映画の脚本を担当した井上さん(写真左)とサークル代表の襲田さん(写真右)

――それぞれのサークルでどのような取り組みを企画したのですか?

武田:私たちは二つの企画を実施しました。一つは七夕をテーマとしたファッションショー、もう一つは白いドレスを着たマネキンを置いて、来てくれた皆さんが願いを書いた短冊を飾ってカラフルなドレスを作るという仕掛けです。

短冊ドレスの様子(左)と、武田さんがファッションショーのために製作した洋服(右)

井上さん(以下敬称略):私たちは、千葉市に関連した映画を作ろうと企画しました。千葉市と七夕というキーワードを色々と調べていく中で、1945年7月7日に千葉市の中心街を標的に行われた「七夕空襲」があったことを知ったんです。そこで、この七夕空襲をテーマとした映画を制作し、上映することにしました。

イベントで放映された映画「千の星屑」

――ファッションショーと映画。一見すると屋外での実施は難しそうですね。実際に取り組んでみていかがでしたか?

武田:ファッションショーは暗い室内で照明が当たる前提で企画することが多いので、今回のように屋外で、しかも日中に行うというのは初めての経験でした。その点が難しかったですが、今回はイベントのテーマに合うように、星をテーマにした音楽と、ランウェイ自体も七夕の雰囲気が伝わるような形にしながら、色々と工夫して発表しました。

明るい中で実施してよかったなと思ったのは、お客さんの顔がよく見えたことです。距離が近くて「かわいい!」「すごい!」といった声も直接聞くことができました。

マネキンもキッチンカーの真ん中という一番人通りの多いところに置いていただいたことで、人が人を呼ぶような形になって、飾られる短冊がどんどん増えていくのを見ることができ、本当にうれしかったです。

ファッションショーの様子
 

井上:映画の企画から編集まで1カ月という短い制作期間だったので、とても苦労しました。普段撮影は大学内で行っているのですが、より濃い内容にしたいなと考え、今回は千葉市の各所を回って撮影をしようと自らさらにハードルを上げてしまいました(笑)。

見ていただいた方から「千葉でこんなことがあったなんて知らなかった」などの声を聞き、今までにはない充実感を得ることができました。見ていただいた方の中に映像関係者がいたのですが、「プロみたいだったよ」という感想をいただき、とても光栄に思いました。

映画を見る来場者の方々

――社会実験の結果を千葉市としてはどのように捉えていますか?

石川さん(以下敬称略):通町公園は普段地元の方の憩いの場として活用されています。今回千葉大学の学生さんが関わってくれたことで、当日も多くの方にお越しいただき、活気あふれるイベントになったことが何よりの成果だと考えています。開催後に実施したアンケートでも「若い方の活動を見るのは新鮮でよかった」「またぜひ参加したい」といった回答をいただきました。

イベントを振り返る千葉市の石川さん(写真右)
 

――キッチンカーイベントを運営する主催者の目から見て、今回のイベントはいかがでしたか。

大川さん:千葉神社の節分祭の時など、これまでも同様のイベントを実施してきましたが、あくまで節分祭に来る人がキッチンカーに寄ってくれるというイメージで、どちらかというと年配の方が多かった印象です。今回はこのコラボイベントを目的に来場される方も多く、何より若い方が多く集まってくれたのは大きな違いでした。参加してくれた方を笑顔にできる学生さんの力ってすごいなと思いました。

――学生の皆さまは参加してどのような感想を持ちましたか?

井上:先ほどお話ししたように、私たちは今回、千葉市の魅力を伝えられるように、撮影場所にこだわって映画を制作しました。映画を見て千葉市に興味を持ってもらえていたらうれしいですし、それが少しでも地域貢献につながってくれたらと思います。

襲田:私は他のサークルの取り組みを見られたことがよかったです。ファッションショーを見るのも初めてでしたし、ダブルダッチサークルの出し物ではお子さんも一緒にやっているのを見て、大学の他のメンバーや地域の方と交流できる機会になったのは、とてもよい体験でした!

武田:私は参加してくれた方々の笑顔が印象に残っています。ファッションショーのお客さんは笑顔で見てくれていましたし、短冊を飾って作るドレスについても皆さんが会話しながら楽しんで願い事を書いてくださっていて、本当にうれしかったです。多くの方の願い事が集まってドレスが完成したときには感動してしまいました!この企画に挑戦してよかったです!

――ありがとうございます!それでは最後に千葉市さんからメッセージをお願いします。

石川:今回は学生さんに関わっていただくこと自体初めてで、企画や構成なども手探りの中参加を快諾してくれた学生さんには本当に感謝しています。

今回の社会実験イベントは非常に実りあるものでしたので、今後も千葉大学の皆さんをはじめ、さまざまな場で多くの住民の皆さんと関わりを持たせていただきながら、さらに市全体を盛り上げていく取り組みをしていきたいと考えています。

今回実施された七夕祭キッチンカーイベントには、縫製技術研究会、シネマウント・フィルム・パーティの他にも、下記の5サークルが参加しました!

・お笑いサークルP-RITTS
・クイズ研究会「ミルフィーユ」
・ダブルダッチサークルAX
・マジックサークル「CMC」
・和楽器サークル「紫千会」 (五十音順)

当日のイベントの様子は後日「フォトレポート」にて紹介する予定です!ぜひご覧ください。

※記事に記載された所属、職名、学年、企業情報などは取材時のものです

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