千葉大学では「千葉大学グローバル人材育成プラン・ENGINE」を掲げ、学部・大学院生全員の海外留学を必須とし、学生の皆さんが安心して留学できるよう、大学としてもプログラムや支援体制を強化しています。夏休み・春休みの期間に短期プログラムに参加する学生も多いですが、在学中に長期留学に挑戦してみたいと思っている方もいるのではないでしょうか。とはいえ「どうやって留学先を決めるの?」「就職活動はどうなるの?」など、決める前、行く前の不安はつきもの。
そこで今回は、学内で行われた「秋の交換留学フェア」の内容を前編・後編に分けてご紹介します。前編は、マレーシア、韓国、オーストラリア、ドイツに留学した4人の先輩の留学体験談です。
※ 交換留学とは?
千葉大学の全学を対象とした交換留学制度(千葉大学海外派遣留学プログラム)では、学内募集を年2回行っています。期間は1タームから1学年間。語学留学ではなく、留学先の大学で自分の目的や興味に合わせた科目を履修するのが特徴です。詳しくは留学生課留学支援室HPをご覧ください。
サラワク大学(マレーシア)
法政経学部 梶野 幹太さん
<どんな大学?>
サラワク大学は歴史自体30年程度と浅いのですが、経済学部や工学部、医学部などがある総合大学で、国内外から優秀な学生が集まっています。大学の敷地はとても広くて、敷地内にゴルフ場やサッカースタジアム、湖もあります。
<留学先を決めた理由>
親の仕事の都合で、子どもの頃マレーシアに住んでいたんです。その時の都市開発のスピードがすごくて、もう一度大学生として戻って経験を積みたいなと思ったのが一つ。もう一つはサラワク大学が「実践授業」を重視しているというところで、自分のスキルに直結するような授業を受けられると聞き、魅力的に感じました。
<授業や生活について>
授業の特徴は、1コマが3時間という長時間であることです。先ほどお話しした通り内容はとても実践的で、ディスカッションやプレゼンテーション、フィールドワークなどに学生が主体的に臨む形になっています。僕は授業でレストランのコンサルティングを経験することができました。
私生活で得た一番大きな財産は留学で得た友人です。将来のキャリアなどいろいろな話をして、自分の刺激になることがたくさんありました。サラワク大学はボルネオ島にあるので、大自然を体験することもできました。
<留学先の魅力>
東南アジアの特徴として、発展途上国ということもあり政府が大学などの教育機関に積極的に投資しているので、設備がかなり整っているところが挙げられます。またマレーシアは多民族文化で、インド系や中国系の方も多くいるので、色々な文化を体験できるのも魅力的です。さらに物価が安いので、留学にかかる費用を抑えることができます。
<留学を目指す皆さんへのメッセージ>
準備段階も含めて長期戦になると思いますが、留学生課の職員の方々も含め、丁寧にサポートしてくれるので、どんどん相談に行くといいと思います。色々な不安があると思いますが、僕の経験としては「行っちゃえばなんとかなる」ということをお伝えしたいです。ぜひ行ってみたい気持ちがある人はチャレンジしてみてください!
慶熙大学(韓国)
文学部 木全 南月さん
<どんな大学?>
慶熙(キョンヒ)大学は韓国有数の私立大学で、ソウルキャンパスのほか2つのキャンパスがある総合大学です。私が通っていた国際キャンパス(水原市)は桜がとてもきれいで、シーズンになると近隣の方もお花見に来られるような場所でした。
<授業や生活について>
1つの授業が3〜4時間と、とても長いのが特徴です。私は留学生向けの授業ではなく、専門の授業を取っていたので、出席者のほとんどが韓国人か中国人、留学生は私だけという環境がほとんどでした。
生活面では、私は学生寮でオランダ人のルームメイトと2人部屋でした。そこには世界各国からの留学生がいたので、韓国らしい楽しみ方だけでなく、イスラム教の行事を一緒にお祝いしたり、イースターを寮のキッチンで楽しんだりと、韓国以外の文化に触れることもできました。
<語学の勉強法>
あまり勉強と思わずに、日常で楽しくできることが続けられるポイントかなと思っています。私は動画サイトで韓国人のブイログを見たり、アイドルの動画を見たり、韓国語サイトで自分の興味分野の記事を読んだりしながら、韓国語に慣れるようにしていきました。
<留学を目指す皆さんへのメッセージ>
留学に挑戦するのは勇気のいることだと思いますが、まずは自分が学びたいことをその国で学べるかなど、下調べをしてみましょう。留学中は予想外のことも起こりますが、当初考えてもいなかったような経験ができる機会でもあります。今後の人生でも生かせると思いますので、迷っている方は勇気を出してぜひ挑戦してみてください!
RMIT大学(オーストラリア)
工学部 辻 美里さん
<どんな大学?>
メルボルンの中心にある、アクセスの非常によい国公立大学です。イギリスやベトナム、タイ、中国などいろいろな国から留学生が集まっています。毎週水曜日に無料ランチの配布などもあって、学生に優しいなという印象がありました。
<留学先を選んだ理由>
私は大学3年生の2月から4年生の7月まで行っていたのですが、卒業研究以外の必修科目を全て終了してから渡航できること、また専攻している医工学が学べること、そして英語圏という条件で調べて、この大学にしました。
<授業や生活について>
授業ではこれまで学んできた医工学に関連する科目を3科目受講していました。
生活面では、私は大学寮に滞在していて、3人でリビングとキッチンをシェアするような形でした。寮では犬の散歩ボランティアやBBQ、ムービーナイトといったイベントがたくさんあったので、参加しながら友人を作りました。
<留学先の魅力>
日本との時差が少ないので、家族や友人と連絡をとりやすかったことと、多文化を体験できること。あとはキャンパスにカンガルーがいたりして(笑)、自然が豊かなところがとてもよかったです。
<語学の勉強法>
志望する留学先によってTOEFLやIELTSといった語学試験を受けることが必要になります。私はIELTSを受験したのですが、勉強としては単語、特にアカデミックな単語を中心に覚えていったのと、問題集については形式を理解しながら、苦手な分野を中心に勉強しました。千葉大学のイングリッシュハウスでもスピーキングの練習やライティングを見てもらえたりするので、積極的に活用するのもおすすめです。
<留学を目指す皆さんへのメッセージ>
長期留学で現地の学生と一緒に勉強できるのは本当に貴重な機会です。私も留学を経験して、今でも連絡を取るような友人ができたり、自分自身の成長にもつながったことを実感しました。もし行ってみたいという気持ちがあれば、その気持ちを大切にしてもらえればと思います。
ライプツィヒ大学(ドイツ)
国際教養学部 岡田 隆平さん
<どんな大学?>
ライプツィヒはそれほど有名ではないかもしれませんが、もともと本の出版で有名な街で、音楽家のバッハがいた教会などもあります。最近では再開発が進んでいて、若者も多く活気のある街です。物価も安く、個人的にはすごく住みやすい街だと感じました。
<授業や私生活について>
ドイツ人しかいないような授業もいくつか参加してみたんですが、これはちょっと自分の能力を超え過ぎてしまっていて、後半は燃え尽き症候群気味になってしまったなと反省しました。挑戦する部分はあってもいいと思うんですけど、ある程度余裕ができる部分も確保した方がよかったなというのは体験から皆さんにお伝えできることかなと思います。
ベッドから起き上がれないような辛い時期もありましたが、今振り返ってみるとこの時間も無駄じゃなかったなと感じています。むしろこの時期に色々考えたことが、自分の中には印象深く残っています。
<留学を目指す皆さんへのメッセージ>
語学試験、留学どちらにもいえるんですけど、「自分が十分にできると感じるようになってからチャレンジしよう」という考えだと、結局やらなくなっちゃうんじゃないかなあと思っています。とりあえずやってみる、くらいの感覚が大切なんじゃないでしょうか。失敗しても恥ずかしいものではないですし、ぜひチャレンジしてみてください!
「交換留学体験談」後編は、留学中の就職活動についてご紹介します。お楽しみに!