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留学の経験をさらなるステップへ ~千葉大生が現地学生と作り上げた日中交流イベント~

※記事に記載された所属、職名、学年、企業情報などは取材時のものです

 2025年3月、千葉大学の2年生(※当時)4名が、独立行政法人国際交流基金が主催する令和6年度中国「ふれあいの場」大学生交流事業に参加しました。
 「ふれあいの場」は、日本の最新情報や日本人と接する機会が少ない中国の地方都市において、青少年層を主な対象に対日理解と交流を促進することを目的として開設されました。「ふれあいの場」では日本の大学生・留学生や在留邦人、現地中国人の協力を得て多くの日中交流イベントが行われています。
 オンラインでの交流から現地でのイベントまで、様々な経験が詰まった数か月を、参加した武藤丈さん(工学部)に振り返っていただきました。

――友人同士でこの事業に参加したのですか?
武藤さん(以下、敬称略):今回参加した私たち4人は、この交流事業の募集があった3か月ほど前、千葉大学のイギリス短期留学プログラムで出会った仲間なんです!その時から気が合って、「また何か一緒に挑戦したいね」と話していたところ、この事業を見つけてすぐに応募を決めました。まるで、旅の続きのような、でも新しい冒険の始まりのような4か月間でした。

――交流事業ではどのようなことを行ったのですか?
武藤:交流事業の主な内容は、福建省にある厦門大学嘉庚(かこう)学院の「ふれあいの場」の学生たちと現地で日中交流イベントを実施することでした。このイベントの企画は私たちが立案し、準備から当日の実施に至るまでは現地の学生と協力して取り組みました。私たちが提案した企画は、「房州うちわ作り体験」と「ネイルアート体験」の2つです。どちらの企画も千葉について少しでも知ってもらうことを目的に考えたもので、房州うちわは千葉の伝統工芸品を実際に作る体験、ネイルは落花生や菜の花といった千葉をテーマにしたデザインを取り入れることで、文化やデザインを通して千葉の魅力を伝える工夫をしました。

――そうなのですね!企画の準備はどのように進めていったのでしょうか?
武藤:中国への渡航前の準備はオンラインで進めました。画面越しで初めて顔を合わせたときはとても緊張したのを覚えています。企画準備では、ビデオ通話やチャットを使って中国側の皆さんとやり取りを重ねましたが、言語の壁もあり、うまく意思疎通ができずに、もどかしさを感じることもありました。しかし、回を重ねるごとに少しずつお互いの意見をすり合わせることができ、チームとしての一体感も生まれました。

――準備を経て、実際に現地を訪れてみていかがでしたか?
武藤:現地では、「ふれあいの場」の学生がとても温かく歓迎してくれてすぐに打ち解けることができました。イベント当日は、2企画とも大盛況で予想を超える多くの方々にご参加いただきました。想定外のトラブルも起きましたが、その場で現地の学生と協力して何とか乗り越えていく過程は、むしろ団結力が増していくようで楽しかったです。思わぬ出来事も含めて、心が通じ合った温かい体験となり、「やってよかった」と心から思えました。

――最後に、今回の経験を生かして今後挑戦してみたいことを教えてください!
武藤:今回、「対等な立場での関わり」の大切さを特に実感しました。イギリスに短期留学していたときは、私たちはまだどこか現地の方に “迎えられる”立場である意識もあったかと思います。けれど、さらなるステップとしてチャレンジした今回の中国渡航では、現地の学生と同じ目的を持って、対等な立場でイベントをつくりあげていくことができました。「中国にいる」という意識も次第に薄れていき、自然とその場に溶け込んでいく感覚があり、本当の意味で異文化の中に入り込むことができたように思います。今後は、逆に海外から日本に訪れる方々がこうした経験をできるよう、サポートする側としてかかわっていきたいと考えています。


大学生交流事業に参加した学生のうち2名の方からもコメントをいただきました。

【田代華子さん(工学部)】
 渡航期間は1週間と短い間でしたが、オンラインでの交流を含めると約4か月という長期の活動でした。想像以上に規模の大きいイベントで正直不安もありながら、中国の学生たちと準備をして本番を迎えました。何か1つの目標に向かってこのような期間をかけて活動したのは久しぶりで、無事終えられた時の達成感と安心感、その気持ちを分かち合える、共に活動してきた日中の学生たちの存在は代え難いものです。
 帰国してからも街で中国語が聞こえたり、ニュースで中国に関する事を目にしたりすると学生や先生方を思い出すことがあります。「隣国の大国」という大きな認識だった国に、ふと顔を思い出したり同じ経験を共有できたりしている存在があるという事はこの活動を経て得た最大の宝物です。今後も、知識だけではなく人との経験を大切にこのような国際交流に積極的に参加したいと思います。

【中野健太さん(法政経学部)】
 今回のプログラムでは、自分が慣れている環境の外に出て新しい出会いや気付きを得ることの重要性を大きく感じました。渡航前のオンラインでの準備や打ち合わせなどには、様々な障壁がありましたが、それを一つずつ乗り越えることで自分自身が成長することを実感できました。渡航中は多くの学生とコミュニケーションを取り、常に笑顔が絶えない活動となりました。中国側学生の全員が我々日本人と同等以上の熱意を持っており、その気持ちに応えなければならないと強く感じました。多くの中国人学生が日本語で話しかけてくださり、渡航した日本人一人一人が持つ責任と、中国側からの期待を感じました。今後は、中国への長期留学を目標に中国語の学習を行いたいと考えています。

※記事に記載された所属、職名、学年、企業情報などは取材時のものです

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